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でいご法律事務所

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相続放棄の手続きを急がないといけない理由

 

たとえば,父親が亡くなったけれど,

どうやら生前にかなりの借金をしており,

財産はほとんどないようだ…。

こういった場合,「相続放棄」の手続きを考えると思います。

 

相続放棄をするとどうなるか?

「相続の放棄をした者は,その相続に関しては,

初めから相続人とならなかったものとみなす(民法939条)」と定められています。

本来であれば父が残した借金は,法定相続分にしたがって配偶者や子が支払わなくてはいけません。

しかし,相続放棄をすれば,借金を支払わなくてもよくなります。

ただし,父が住んでいた家などの財産を相続することもできません。

 

相続放棄ができる期間は?

「相続人は,自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に,

相続について,…放棄をしなければならない。」(民法915条1項本文)。

つまり通常の場合であれば,父が亡くなったことを知ってから3か月以内に手続きをする必要があるのです。

「相続の放棄をしようとする者は,その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。」とされており,

裁判所に提出する書類をそろえていたら3か月はあっという間に過ぎてしまいます。

 

亡くなってから3か月経過後に相続放棄の申述が受理された事例

平成26年3月27日東京高等裁判所決定をご紹介します。

【事案】

被相続人(亡くなった人)は,平成22年に死亡した。

相続人は,長男,長女,二女の3名だった。

被相続人は自宅不動産を所有していたほか,長男の借り入れについての連帯保証債務を負っていた。

被相続人は生前,財産をすべて長男に譲る意向を示していた。

被相続人の死後,長男が相続財産を管理しており,

長女と二女は保証債務の存在を知らなかった。

長女と二女は,不動産を長男名義に変更するための遺産分割協議証明書に署名押印した。

長女と二女は,被相続人が死亡してから2年以上経ってから,

長男に質問したりして,保証債務の存在を知った。

【決定の内容】

(長女と二女は)被相続人が死亡した当時,被相続人の相続財産に不動産があることを知っていたものの,

被相続人の意向を聞いていたために,長男がこの不動産等被相続人の相続財産を一切相続したので,

自らには相続すべき被相続人の相続財産がないものと信じていたことが認められる。

本件における熟慮期間の起算日は,(長女と二女が)前記連帯保証債務の存在を認識した日とするのが相当である。

 

すでに被相続人が亡くなってから3か月経過してしまっている場合は?

 このような決定もありますので,被相続人が亡くなってから3か月経過していると,

絶対に相続放棄ができないかというと,認められる場合もあります。

ただその場合であっても,債務があることを知った日から3か月以内の申立てが必要など,

時間に制約があります。

ご不安な場合には,とにかく早めに,弁護士にご相談下さい。

 

 

 

2014年11月12日(水)

マタハラについての最高裁判断が示されました。

 

平成26年10月23日,

最高裁判所がマタハラ(マタニティハラスメント)について新しい判断を示しましたので,
ご紹介します。※1

【事案の概要】

病院を経営する被上告人に雇用され副主任の職位にあった理学療法士である上告人が,

労働基準法65条3項(※2)に基づく妊娠中の軽易な業務への転換に際して副主任を免ぜられ,

育児休業の終了後も副主任に任ぜられなかったことから,

副主任を免じた措置は雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項(※3)に違反する無効なものであるなどと主張して,

副主任手当の支払及び債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求めた事案。

【判断】
一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ,
…原則として同項の禁止する取扱いに当たるものと解されるが,
…当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,
又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易作業への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,
その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして,
…特段の事情が存在するときは,同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するのが相当である。

 

※1

平成24年(受)第2231号 地位確認等請求事件

平成26年10月23日第一小法廷判決

※2

使用者は,妊娠中の女性が請求した場合においては,

他の軽易な業務に転換させなければならない。

※3

事業主は,その雇用する女性労働者が妊娠したこと,

出産したこと…を理由として,当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならない。

2014年10月24日(金)

道に落ちていた「3000円」 ネコババしないで警察に届けたら、いくらもらえるの?

 

 私が書いた原稿が掲載されました。
よろしければご一読下さい。

弁護士ドットコム
http://www.bengo4.com/topics/2128/

Yahoo!ニュース(閲覧期限あり)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141004-00002128-bengocom-soci

道ばたに3000円が落ちていたら、あなたはどうするだろうか? 新潟県の20代の女性教諭が、路上で拾った現金3000円をネコババし、フェイスブックに「3000円拾いました。大切に使います」と書き込んだとして、県教育委員会から戒告処分を受けていたことがわかった。

報道によると、女性教諭は2012年9月、駐車場に落ちていた現金3000円を拾い、自分のフェイスブックにその事実を書き込んだ。今年7月、県教委に情報提供があって発覚。女性教諭は「浅はかなことをした」と事実を認め、投稿を削除したという。

しかし、そもそも道端に落ちている「お金」を拾って自分のものにしてしまうことは、犯罪にあたるのだろうか。「誰のものでもないから、自分のものだ」ということはできないのだろうか。田村ゆかり弁護士に聞いた。

●拾ったお金を警察に届けなかったらどうなる?

「法律では、落とし物を拾ったら速やかに、拾ったものを落とした人に返すか、警察に提出しなければいけないと決まっています。

これを守らずに、落としものを自分のものにしてしまうと、遺失物を横領したとして、1年以下の懲役または10万円以下の罰金、もしくは科料(金額は1000円以上1万円未満)に処せられます」

田村弁護士はこのように説明する。道端に落ちているお金をネコババしたら、「遺失物横領罪」という、いかめしい名前の犯罪になってしまうということだ。

●ちゃんと警察に届けたら「ご褒美」がある

では、もしも今回のケースで、女性教諭が3000円をちゃんと警察に提出していたらどうなっていただろうか。

「警察にお金を届けても、誰が落としたかすぐには分からないことがほとんどです。そこで警察は、現金が拾われた日時・場所などを警察のホームページ等で発表し、落とした人を探します。

そして、落とした人が判明した場合、お金を拾った人は、拾った金額の5~20%を報労金としてもらえることになっています。また、警察が発表してから3カ月たっても落とした人が判明しない場合、拾った人が全額もらえます」

お金を警察に届けて、一定期間落とし主が判明しない場合は、全額が自分のものになるわけだ。

「今回の場合、女性教諭がちゃんと警察に届けていれば、少なくとも報労金が適法に得られたわけです。そのわずかな手間を惜しんでネコババしてしまった代償は大きいと言えるでしょう」

田村弁護士はこのように述べていた。女性教諭が拾った金額は3000円だから、報労金は150円〜600円。もし落とし主が判明しなければ、3000円をそのままもらえたことになる。

「落とし物は警察へ」――小学校で習うようなことかもしれないが、この際、あらためて心に刻んでおくべきだろう。

2014年10月08日(水)

原発事故賠償相談会

 

平成26年10月4日沖縄タイムス寄稿欄に,
私が書いた原稿が掲載されました。
よろしければご一読下さい。

141004沖縄タイムス寄稿

平成23年3月11日に発生した東日本大震災から3年が経過しましたが,依然県外へ避難している被災者の方は多く,特に沖縄県は原発から距離が遠いこともあってか西日本で最多の629名が福島県から避難されています(平成26年5月31日現在)。
 また,東京電力への損害賠償請求はある程度進んでいるとはいえ,原子力損害賠償紛争解決センターへのADR(裁判を用いない紛争解決手続き)の申立てによって,東電基準を上回る賠償を得た被災者もいることがあまり知られていないなど,情報の格差が生じています。今回のような原発事故による損害賠償請求は過去に例がなく,日々新たな和解案が示されているため,請求できるものを漏らさないためには最新情報を追いかけることが不可欠です。
 そこで,沖縄弁護士会では,原子力損害賠償・廃炉等支援機構との共催で,10月18日土曜日に原子力損害賠償に関する最新情報をご説明する説明会と個別相談会を開催することとしました。
 10月18日土曜日10:00~11:15は,震災時に避難指示区域に居住していた方々を対象として,住居確保損害(帰還する際の建替え・修繕費用や移住する場合の住宅や宅地の購入費用)や墓石の賠償などを中心にご説明します。続いて11:30~12:45は,震災時に避難指示区域外の福島県内に居住していた方々を対象として,ADR申立方法の解説等を行います。いずれも講師は,震災による損害賠償について詳しい第一東京弁護士会神田友輔弁護士です。
 また午後の13:30~16:30には,原発事故による賠償についてご相談されたい方全員を対象として,無料個別相談会を行います。1回1時間以内で,「宅地・建物の損害を賠償してほしい!」「生活費増加分や避難にかかった交通費を賠償してほしい!」「ADRの申立方法を知りたい!」など様々なご相談にお応えします。なお,1回だけではなく,継続的に相談をされたい場合にも無料で対応致します。
 説明会・個別相談会とも,場所は沖縄弁護士会館(那覇市松尾2-2-26-6)において行い,いずれもお電話での事前予約が必要です(0120-330-540,受付時間は9:00~17:00で土日祝日も受け付けています)。
 震災当時福島県にお住まいで沖縄県に避難されてきた方で,東京電力への損害賠償請求をお考えの方は,ぜひご参加下さい。

2014年10月07日(火)

スーパーの「惣菜」を子どもがベタベタ触った! 親に「買い取る義務」はあるのか?

 

私の書いた原稿が掲載されました。

ご興味おありであれば,ご一読下さい。

弁護士ドットコム

Yahoo!ニュース

 

幼い子どもが、揚げたてのかき揚げを素手で無造作につかむ。おにぎりにかぶりつく――。こうした光景は、家庭の食事でなら、ありふれたものだろう。しかし、これがスーパーのお惣菜売り場だと、話は変わってくる。

 

インターネットの投稿サイトには、総菜売り場でこうした光景を目撃した人からの声が複数寄せられている。議論になっているのは、親が気づいても、商品をカゴに入れずに立ち去ってしまうパターンだ。こうした親の態度に対して、「信じられない」「当然買い取るべきではないか」という意見が寄せられている。

 

心理的にも、衛生的にも、他人が手で触れたお惣菜を、進んで買う人は少ないはず。他の客から指摘されたら、店もその惣菜を撤去せざる得ないだろう。

 

倫理の問題としてなら、親が買い取るのは当然といえそうだが、法律的にも「親に買い取り義務がある」といえるのだろうか。田村ゆかり弁護士に聞いた。

 

●幼い子ども自身に「賠償責任」はない

 

「素手で触れた惣菜は売り物にならないので、お店には『損害』が生じます。成人が同じことをした場合、不法行為として、お店は代金を請求することができます(民法709条)。

 

ただし、今回は『幼い子ども』の行為です」

 

違いがある?

 

「民法には、『幼い子どもに賠償責任を負わせない』というルールがあるんですね。

 

民法712条は『未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない』と定めています。

 

この条文があるので、子ども自身に代金の支払請求することはできません。ちなみに、11~12歳くらいが、責任を負うか、負わないかの境とされています」

 

●親が「監督義務者」として責任を負う。

 

それでは、幼い子どもが発生させた損害は、誰が責任を負うのだろうか?

 

「そうした場合、子どもの法定代理人(親権者)である親が、損害を賠償する責任を負うことになります。

 

民法714条1項は、712条で子どもが責任を負わない場合、子どもを『監督する法定の義務を負う者』が、『損害を賠償する責任を負う』と定めています」

 

すると、幼い子どもがやったことは全て親の責任になる?

 

「そういうわけではありません。

 

民法714条1項には『ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき…は、この限りでない』という、条件が付いています。

 

これは、子をきちんと監督していた場合なら、親が損害賠償責任を負わないという意味です。

 

しかし、本件ではそのような事情は見受けられません。店は親に対して惣菜代金の支払いを求めることができるでしょう」

 

たしかに、親がしっかり子どもを監督していたら、子どもが惣菜を手で触ったり、食べたりすることはないだろう。こうした場合なら、モラル的な意味だけでなく、法的な観点からも、「親は子どもがしたことの責任をとれ」といえるようだ。

 

【取材協力弁護士】

田村 ゆかり(たむら・ゆかり)弁護士

平成26年度沖縄弁護士会理事。同年度沖縄県包括外部監査補助者。経営革新等支援機関

事務所名 :でいご法律事務所

事務所URL:http://deigo-law.com/

 

2014年08月26日(火)

事務所を移転しました!

 

平成26年8月2日に,事務所を移転しました!
那覇高校を背にして裁判所・法務局の方向に坂を上がっていくと,
左手にある,でいごビル4階です。
駐車場は,縦列で二台ご用意しています。

2014年08月05日(火)

99.9%父親じゃなくても,父親?!

 

最高裁判所第一小法廷は,平成26年7月17日,
「夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,
かつ,子が,現時点において夫の下で監護されておらず,
妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても,
…親子関係不存在確認の訴えをもって当該父子関係の存否を争うことはできない」としました。

DNA検査の結果によれば,99.99%父親ではないことがわかっていても,
父子関係にないことを争えないという判断です。
なぜこのような判断がされたのでしょうか。

そもそも,民法772条1項は,
「妻が婚姻中に懐胎した子は,
夫の子と推定する。」という規定を設けています。
いわゆる「嫡出の推定」の規定です。

妻が婚姻中に,他の男性と関係をもってもうけた子は,
この規定により,夫の子とされるのです。

ただ,夫が,「この子は俺の子じゃない!」という場合は,
嫡出否認の訴え(民法774条)により,父子関係を争うことができます。
問題は,この嫡出否認の訴えは,「夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない」こと(民法776条)。
この一年という出訴期間は,身分関係の法的安定を保持する上から合理性を有すると考えられています
(最高裁昭和55年3月27日,同平成12年3月13日判決)。

では,一年を過ぎたら父子関係を争うことができないのでしょうか?
最高裁判決は,「妻がその子を懐胎すべき時期に,既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実体が失われ,
又は遠隔地に居住して,夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存する場合には」
親子関係不存在確認の訴えという方法で,父子関係を争うことができるとしています。
この親子関係不存在確認の訴えは,出訴期間の制限がありません。

しかし本件では,妻が懐胎すべき時期にはまだ夫と同居していたため,
特段の事情はなく,親子関係不存在確認の訴えによって父子関係は争えないとされたのです。

このような結論は不合理にも思えますが,
解釈の限界を超えており,法律を改正するという方法で解決するしかない問題なのだろうと思います。

2014年07月30日(水)

2015(平成27)年1月から相続税が上がります!

 

2015(平成27)年1月1日以降に亡くなった方については,

相続税が上がります。

改正のポイントを4点ご案内します。

 

まず一つ目は,基礎控除額が引き下げられること。

たとえば,亡くなった方(被相続人)に配偶者と子2名の計3名法定相続人がいた場合。

これまでは,5000万円+(1000万円×法定相続人の数)=8000万円が基礎控除額でした。

これが,改正後は3000万円+(600万円×法定相続人の数)=4800万円となります。

つまり,亡くなった方の財産が4800万円を超える場合には,

その財産を取得した人は相続税の申告をする必要があるのです。

 

二つ目は,相続税の税率が上がること。

各法定相続人の取得金額に応じて税率が異なり,

取得金額が高いほど税率が上がります。

たとえば1000万円以下なら税率は10%ですが,

5000万円超~1億円以下だと30%です。

改正により,取得金額が1億円以上の場合の税率が上がり,

最高税率が55%になります。

 

三つ目と四つ目は,逆に負担を軽くする改正です。

三つ目は,法定相続人が未成年者や障害者の場合の控除額を引き上げること。

四つ目は,小規模宅地等の特例の改正です。

これは,亡くなった方が生前住んでいた宅地等がある場合に,

相続税の課税価格を一定程度減額するというものです。

現在減額の対象となるのは宅地の場合240㎡までですが,

330㎡まで限度面積が拡大されます。

 

これらの相続制度の改正で,特に気を付ける必要があるのは,

やはり土地や建物をお持ちの場合です。

たいして財産がないからと思っていたら,土地の評価額が高くて子らが苦労する…ということにならないよう,

あらかじめの対応が必要です。

もしかして…と思う方は,お早目にご相談下さい。

2014年07月16日(水)

最強クラス「台風」が北上中 「屋根瓦」が飛んでケガ人が出たら、誰の責任なのか?

 

私が書いた記事が掲載されました。

よろしければご一読下さい。

 

「7月としては過去最強クラス」とも呼ばれる大型で強い台風8号が猛威をふるっている。沖縄本島では、9日朝から猛烈な雨が降っており、停電も相次いでいる。

気象庁は9日午前8時45分、沖縄本島地方に特別警報を発表し、「重大な危険が差し迫った異常事態です」「土砂崩れや浸水による重大な災害が既に発生していてもおかしくない状況です」と注意を呼びかけている。

今後、台風は日本列島の各地で甚大な被害をもたらす可能性がある。暴風で他人の家の瓦が飛んできて、家や車や身体が傷つけられることもあるかもしれない。そんなとき、瓦がのっていた家の持ち主に対して、賠償金を求めることはできるだろうか。

「これから台風がやってくる地域の方々が心配です」と語る沖縄在住の田村ゆかり弁護士に聞いた。

●家を「借りている人」にも賠償責任が発生する可能性あり

田村弁護士によると、今回のケースで損害賠償を求めるには、民法717条1項の「工作物責任」が問題になるという。そこでは、次のように定めている。

「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う」

法律の条文なので、難しい言葉が並んでいるが、どのような意味だろうか。

「まず、『工作物』には家も含まれます。そして、『瑕疵』(かし)とは、工作物がその種類に応じて通常備えているべき安全性・設備を欠いている状態のことです。

つまり、もし家に『瑕疵』があり、そのために瓦が飛ばされた結果、家や車が壊れたり、けがをしたりしたら、その家の『占有者』が損害賠償責任を負うことになります」

「占有者」というのは、その家に住むなどして、事実上、支配している人のことだ。家の状態をコントロールできる立場にあるので、それに応じた責任があるということだろう。

「もし、その家が持家ということならば、所有者と『占有者』は基本的に同じ人ですから、家の持ち主が責任を負います。アパートなどを借りている賃借人の場合は、賃借人も『占有者』として責任を負います」

また、強風や豪雨などの自然力が荷担していた場合であっても、「工作物の設置又は保存に瑕疵がある以上は、自然力の荷担という事情だけで、責任を免れることはできないと考えられています」と、田村弁護士は指摘する。

●「占有者」は賠償責任を免れられても、「所有者」は・・・

では、家の持ち主や賃借人などは、責任を免れることはできないのだろうか。

「民法717条1項は、ただし書きで『占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない』と定めています。

したがって、『占有者』が、損害発生防止のために必要な注意をしていた場合には賠償責任を免れることができますが、『所有者』は、たとえ損害発生防止のために必要な注意をしていても、損害賠償責任を免れられません」

すなわち、賃借人などの「占有者」は責任を免れられる可能性があるが、「所有者」である持ち主は、免れることができないことになる。田村弁護士は、本件で賠償金を求めるポイントについて、次のように整理する。

「家の『所有者』と『占有者』が同じであれば、『所有者』に対して損害賠償を請求することができます。それぞれが異なる場合は、被害者はまず『占有 者』に対して請求することになりますが、『占有者』が損害発生防止のために必要な注意をしていた場合には、『所有者』に対して請求することができるという ことになります」

いずれにしても、台風で飛んできた瓦で被害にあった人は、その家の所有者か占有者に損害賠償を請求できるということだ。逆にいえば、家に住んでいる人は賠償責任を負う可能性があるわけなので、家のメンテナンスに注意を払うようにしたほうがいいだろう。

 

なお,記事は下記に掲載されています。

Yahoo!ポータルサイト

弁護士ドットコムトピックス

 

2014年07月09日(水)

会議室に老眼鏡を置きました。

 

依頼者さんから,「老眼鏡ないの?」というお声があったので,

打合せをする会議室に老眼鏡を置きました。

ご自由にお使い下さい!

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2014年07月02日(水)