でいご法律事務所
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取り扱い業務→家事→離婚問題に,
「離婚の原因‐不貞行為」の原稿を追加しました。
よろしければご一読下さい。
実際の離婚の原因って,何が多いんですか?
これまでの経験からすると,不貞行為と,
その他婚姻を継続し難い重大な事由が多いですね。
悪意の遺棄,3年以上の生死不明,回復見込みのない強度の精神病を理由に離婚を請求した,
という経験はほとんどありません。
特に沖縄は親族や友人の結びつきが強いからなのか,
不貞行為が見つかりやすく,それが原因で離婚に至る件数が多い印象です。
そうなんですね。
不貞行為って,不倫とか浮気ってことですよね?
不貞行為とは,配偶者のある者が,自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と性交渉を行うこと,と考えられています。
性交渉に限定するのが通説判例の理解で,性交渉に至らない関係は民法770条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当たるかどうかが問題となります。
「自由な意思に基づいて」のところですが,不貞の相手方の自由な意思に基づくかどうかは問題にされません。
そのため,たとえば夫が妻以外の女性を強姦した場合も不貞行為になります。
逆に,強姦された場合は「自由な意思に基づいて」いないので,不貞行為にはなりません。
「異性」との性交渉ってことは,同性との性交渉は不貞行為にならないのですか?
同性との性交渉についても離婚を認めた裁判例があります(名古屋地判S47.2.29)。
事案の内容:夫と妻との間に子を一人もうけ,結婚当初4か月ほどは性交渉があったが,その後夫が妻に対して性交渉を求めなくなり,妻が求めても一向に意欲を示そうとしなくなった。
妻は不満を抱きながらも耐え忍んでいたところ,警察官から夫が他の男性と同性愛の関係にあることを知らされ,驚きのあまりただちに子を連れて実家に帰り,以来夫とは別居生活を続けている。
裁判所の判断:性生活は婚姻生活における重大な要因の一つであって,妻と夫との間に数年間にわたり性交渉がないこと,妻が夫と他の男性との同性愛関係を知ったことによって受けた衝撃の大きさを考えると,正常な婚姻関係を取り戻すことはまず不可能として,離婚を認めました。
なるほど,同性との性交渉でも不貞行為になることがあるんですね。
たとえば,夫が浮気したことが分かったけど,子どもも小さいし,謝っているし,今回だけは許そう…ということもありますよね。
そういう場合,後でその不貞行為を理由として離婚できるのですか?
この場合には,他の事情も総合的に考慮して,1号「配偶者に不貞な行為があったとき」だけでなく,
5号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」にも当たるかを検討します。
2016年05月18日(水)
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